自民・甘利氏「少子化対策の財源として、将来的な消費税率の引き上げも」さらに防衛費増額については「財源は確定していて、いつから増税を実施するかだ」
自民党の甘利明前幹事長が、少子化対策を進めるために、将来的にはその財源として消費税の引き上げも検討の対象になるという認識を示した。
岸田総理の「異次元の少子化対策に挑戦する年にしたい」という発言を受けて述べたという。
今後の少子化対策を進めるための財源について、自民党の税制調査会で幹部を務める甘利前幹事長は、将来的な消費税率の引き上げも検討の対象になるという認識を示しました。
岸田総理大臣は、先の記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する年にしたい」と述べたうえで、児童手当を中心にした経済的支援の強化などの検討を進める方針を示しました。
これに関連して自民党の甘利前幹事長は、5日夜出演したBSテレ東の「日経ニュースプラス9」で「岸田総理大臣が少子化対策で異次元の対応をすると言うなら、例えば児童手当なら財源論にまでつなげていかなければならない」と指摘しました。
そのうえで「子育ては全国民に関わり、幅広く支えていく体制を取らなければならず、将来の消費税も含めて少し地に足をつけた議論をしなければならない」と述べ、少子化対策を進めるための財源として、将来的な消費税率の引き上げも検討の対象になるという認識を示しました。
一方、甘利氏は防衛費増額に伴う増税に関する自民党内の議論について「財源は確定していて、要するにいつから増税を実施するかだ。ことしは年末ではなく、通年で早くから根本的な議論をしようとなっていて、そこで防衛費の議論は終結する」と述べました。
少子化対策と言えば国民が納得すると思っていたら甘い。
ネット上では「無駄を見直すのが先だろう」などといった反発の声が上がっている。ごもっともだ。だが、無駄を見直すのと並行してやらなければならないことがある。それは国民を豊かにすることだ。所得を上げて国民を豊かにすれば税収は上がるし、結婚や子供を産むことを決断する人も徐々に増えるのではないだろうか。それなのに、もれなく全国民にダメージを与える消費増税などしたら逆効果だ。もう、財務省に踊らされているとしか思えない。
少子化対策のための増税も論外だが、さらに聞き捨てならないのが「財源は確定していて、要するにいつから増税を実施するかだ。」という発言だ。この発言を聞いた国民はどう思うだろうか。自民党内では防衛費確保のための増税に対して反対の声を上げる議員も多く、萩生田政調会長や世耕参院幹事長によれば、他にも財源を検討する余地があり、これから慎重に議論していくはずだった。実際に、萩生田政調会長は防衛費増額を巡り増税以外の財源について議論する特命委員会を設ける考えを示している。(参考)だが、甘利氏の発言が事実だとしたら党内のこういった動きや増税反対派を愚弄していることになる。なによりも国民を愚弄している。
仮に、本当に決まっていたとしても、今の段階で言うべきではないのが分からないのだろうか。統一地方選や年内に解散総選挙があるとしたら深刻なダメージになりかねない。本当に残念だ。自身が比例復活当選に甘んじた理由が分かっていないらしい。
今回の発言は政権の足を引っ張るどころか、党内の溝も深めかねない。甘利氏は発言を撤回すべきだ。