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「60年償還ルール」見直し訴える萩生田政調会長ら増税反対派に、鈴木財務相や石破元幹事長らが異論




防衛費増額の財源確保をめぐり、「60年償還ルール」が注目されている。自民党の萩生田光一政調会長は「償還費で(防衛委の財源を)まかなうことも検討に値する」「(償還期間)60年を80年に延ばせば、(防衛費増額に必要な)年間4兆円を生み出すことができる」と償還ルールの延長などを念頭に見直しの必要性を訴えた。

ところが、鈴木俊一財務相はこれに対し、「(ルールによって)ある意味(財政)規律を守っている部分がある。見直しで国全体としての国債発行額は変わることはない」と慎重な姿勢を示した。

鈴木俊一財務相は20日の閣議後記者会見で、防衛費の財源確保に向けて議論されている国債を60年で償還するルールの見直しについて、「(ルールによって)ある意味(財政)規律を守っている部分がある。見直しで国全体としての国債発行額は変わることはない」と慎重な姿勢を示した。

防衛費の財源を巡っては、税以外の財源捻出が課題になっている。自民党内では、国債を60年で償還するルールの廃止や期間延長で浮いた資金を防衛費に充てる手法について議論が交わされているが、「市場の信認を失う恐れがある」などとして、見直しに否定的な意見も少なくない。

鈴木氏は「いろいろ議論が積み重なっていくと思うので、結論を予断をもって申し上げることはできない」としつつ、「60年償還ルールというのは、国債の償還財源を確実に確保して、償還のための財政負担を平準化する観点から決められている」と強調。財政規律の維持に関わるルールだとの認識を示した。

引用元 国債60年償還ルール 鈴木財務相は見直しに慎重「規律守る部分ある」

増税容認派と言われる石破茂元幹事長も鈴木財務相と同じ考えを示した。

自民党の石破茂元幹事長は19日、防衛費増額の財源確保を巡り、党内で浮上している国債の「60年償還ルール」の廃止・延長論に異論を唱えた。「ルールを見直しても、新たな財源がでてくるわけではない。国民の負担が魔法のように消えるわけではない。最小限の負担でも、お願いすべきときはするのが責任ある政府だ」と述べた。

引用元 自民・石破氏「負担消えない」国債償還ルール見直し

稲田朋美元防衛相も次のようにツイートしていた。

防衛費拡大は必要。徹底的な財源の説明も必要。
ただ、60年償還ルールやめても償還費が減り借換債が増えるだけで、国債残高は変わらず、防衛費の財源にはならない。
新たな赤字国債で賄うという話。

引用元 https://twitter.com/dento_to_souzo/status/1616262637641420802

一方で、経済学者で嘉悦大教授の高橋洋一氏は「国債「60年償還ルール」は不要だ」と訴える。

60年償還ルールは、減債基金のためにどのように繰り入れるかを定めたものだ。建設国債の場合、社会インフラの構築のために発行されるが、その耐用年数が60年程度なので、それに合わせて60年償還とされている。減債基金への毎年の繰入額は国債残高の60分の1で1・6%ということになる。

筆者は、大蔵省(現・財務省)の役人時代に、国債整理基金の担当をしたことがある。その当時、海外の国債管理担当者に対して、「日本では減債基金があるので国債が信用されている」と言った。それに対し、海外の先進国から「うちの国は減債基金がないが、なぜ日本にはあるのか」「借金しながら減債基金への繰り入れのためにさらに借金するのはいかがなものか」と反論され、参ったことがある。まったく彼らの言うとおりだからだ。

よく考えてみたら、日本でも民間会社が社債を発行しているが、減債基金があるという話は聞かない。減債基金の積み立てのために、さらに借金をするのはおかしいというのは誰にでも分かる話だ。

民間の社債では、借り換えをして、余裕が出たときに償還するというのが一般的だ。これは、海外の国債でも同じなので、海外の先進国でも、かつては国債の減債基金は存在していたが、今ではなくなっている。

さらに、金利環境に応じて買い入れ償却するなど国債全体をいかに効率的に管理するかが重要なので、金融のプロを国債管理で配置し、債務管理庁などのプロ組織にしている。

しかし、日本では、国債・地方債の減債基金がまだ存在している。大学の財政学のテキストにも、国債・地方債の減債基金の制度やその重要性が説明されている。ただ、海外では存在していないことや、減債基金がなぜ必要なのかについてはあまり言及されない。もし学生がそうした質問をしたら、大学教員は困るだろう。

国際基準からの正解は、60年償還ルールを廃止してプロの債務管理庁の創設というものだ。

60年償還ルールを廃止すると国債の信任が失われると財務省は言うが、他国の例からみても的外れだ。過去に1・6%の繰り入れをしなかったこともあるが、国債の信任という問題にならなかった。

国で60年償還ルール、減債基金を廃止すると地方にも波及する。それは地方財政に無用な制約をなくして財政余力が高まることを意味する。おそらく兆円単位の財政的な余裕になるだろう。4月に統一地方選があるので、償還ルールの見直しをぜひとも政治課題にするべきだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

引用元 国債「60年償還ルール」は不要だ 減債基金の廃止で財政余力を高く 4月の統一地方選で見直しを争点にすべき

自民党の和田政宗参議院議員は次のようにツイートしていた。

私は国債の「60年償還ルール」を見直せば、防衛費増額の財源は捻出できると考える。

私が幹事を務める「責任ある積極財政を推進する議員連盟」でも研究し、党幹部に申し入れてきた。

見直しにより、防衛費増額は増税なくとも可能との結論になるはず。

徹底的に議論していく

引用元 https://twitter.com/wadamasamune/status/1613787573792694272

はてさて、これだけ意見が分かれると「どっちが正しいの?」と混乱するのは国民だ。この際だから徹底的に議論して、何が国民のために一番有効なのかを念頭に結論を導いてほしい。







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