中国外相、林外相に水際対策の緩和を要求⇒林外相「中国の感染状況を踏まえ対応する」
王毅前外相の後任の秦剛外相が林外相との電話会談で、現在日本が行っている中国向けの水際対策の緩和を求めてきた。
林外相は、当面は現状維持で、中国の感染状況を見ながら判断していく考えを伝えたという。
林芳正外相は3日の記者会見で、2日夜の日中外相電話会談に関し、秦剛外相から新型コロナウイルス対策として日本が講じている中国向けの水際措置の緩和を求められたと明らかにした。
林氏は、当面現行の措置を維持しつつ、中国の感染状況を踏まえ柔軟に対応する考えを伝えたという。
林氏は昨年11月の日中首脳会談で合意した自身の訪中を巡り、秦氏から改めて招待があったと説明。「引き続き具体的な時期を調整していく」と述べた。
これに関連し、松野博一官房長官は3日の記者会見で、「今後さまざまな意思疎通を行っていく上で良いスタートになった」と評価した。秦氏の外相就任後初めての日中外相間の対話だった。
いくら中国が日本人のビザの発給を再開したとはいえ、安易に応じてはいけない。また、中国は感染状況も中国政府の発表では減少傾向にあるとのことのようだが、鵜呑みにせず、注視していってほしい。
また、松野官房長官は「今後さまざまな意思疎通を行っていく上で良いスタートになった」と評価したとあるが、秦剛外相が林芳正外相との電話会談で「平和共存と友好協力が双方の唯一の正しい選択だ」と述べた一方で、次のようなことも述べた。
一方、秦氏は日本に対し「歴史や台湾などの重大な問題で言動を慎む」ことや、沖縄県・尖閣諸島を巡る「右翼勢力の挑発」の制止を要求。東京電力福島第1原発から出る処理水の海洋放出に改めて懸念を表明し、「透明で科学的かつ安全な方法で確実に処理することを望む」と述べた。
口調は和らいだものの、主張は全く変わっておらず、「意思疎通を行っていく上で良いスタートになった」のかは疑問だ。
西側諸国を中心とした対中包囲網などで、中国は色々困ってきたのだろう。だから日本への態度を少し和らげてきたのだと思う。だからと言って、日本政府は中国と意見交換をするのはいいが、日本が譲歩するような関係改善だけはあってはならない。