東京都が今度は伊豆大島に洋上風力発電を計画⇒パブコメ募集中
東京都の自然環境破壊がこのところ話題となっているが、なんと、またしても新たな自然破壊案件が浮上した。
今度は離島振興法に基づく「東京都離島振興計画」の素案で、伊豆大島に洋上風力発電設備を導入しようとしている。
東京都は24日、離島振興法に基づく「東京都離島振興計画」の素案を公表した。伊豆大島(大島町)では洋上風力発電設備を導入して再生可能エネルギーを生かすまちづくりに取り組み、三宅島(三宅村)などでは空路・海路のダイヤ見直しや交通機関の増便で利便性向上を目指す計画などを盛り込んだ。パブリックコメントを募集し、5月をメドに計画を正式公表する。
計画期間は2023〜32年度の10年間で、伊豆諸島の2町6村が対象となる。交通手段の充実や情報通信基盤の整備、医療・防災など6つの取り組みを掲げた。
地域別の具体策では、伊豆大島で洋上風力発電を中心とした脱炭素化の推進や新産業の形成を目指し、八丈島(八丈町)では空路の路線維持、チャーター便の誘致やインバウンド(訪日外国人)対応の強化などを盛り込んだ。
市町村人口が国内最少の青ケ島(青ケ島村)では、テレワークや離島留学などの推進で、10年後の人口は現状より2割多い210人に引き上げる目標という。
東京都はパブリックコメントを募集している。募集期間は令和5年2月24日(金曜日)から同年3月25日(土曜日)まで。
東京都では、このたび、東京都離島振興計画の素案を取りまとめましたので、公表します。
本計画は、離島振興法に基づき、令和5年度から令和14年度までの伊豆諸島地域の振興の方向性を示すものです。
今後、下記のとおり都民の皆様から御意見を募集し、本年5月を目途に東京都離島振興計画を策定・公表する予定です。
洋上風力発電はクリーンなエネルギーというメリットがある一方で、自然環境に左右されやすい(無風状態では回らない)、島しょ部ではコストがかかる、サンゴなど生態系に影響を与え環境にも影響を与えるといったデメリットも指摘されている。
エネルギー・環境研究者のキヤノングローバル戦略研究所の杉山大志氏も意見を提出していた。
東京都離島振興計画素案への意見
氏名:杉山 大志
住所:東京都
該当箇所:「風力」「太陽光」「地熱」「再生可能エネルギー」に関わる部分
意見内容:都は、太陽、風力、地熱などの再生可能エネルギーについて、その環境影響とコストについて真剣に検討すべきだ。そうすると、本計画案における再生可能エネルギーの推進という方針を取り下げるという結論になるのではないか。
理由:以下の通り東京都離島振興計画素案では、伊豆大島や新島などに洋上風力や太陽光発電を導入するとしている。
だが、島を愛し、何度も訪れた私としては、全く耐え難い話だ。
風力発電は、景観を乱し、騒音を出す。そもそも人は島に癒しを求めに行くのだ。そこに巨大な人工物である風車など見たくないではないか。
メガソーラーも同じだ。せっかくの雄大な自然の風景を害する。
このようなものが建設されれば、観光客も来なくなるのではないか?
風力・太陽は電気事業としての経済性も極めて悪い。伊豆諸島では電力供給の殆どはディーゼル発電が賄っている。風力発電や太陽光発電はお天気任せなので、いくら作ってもディーゼル発電機を無くす訳にはいかない。このため、明らかに二重投資になる。
もちろん、風力発電や太陽光発電があれば、ディーゼル燃料を節約することはできる。けれども、何しろ離島なので、風力発電や太陽光発電を建設したり維持したりするコストは高くつく。離島というのは、何でもコストがかかるのだ。
伊豆諸島には、台風もしばしば襲い、強風に見舞われる。海水が吹き付けられて、塩害も起きる。これに耐える頑強な施工もしなければならない。だがそれでも発電設備の劣化は速い。これもコスト要因になる。
太陽・風力に比べれば、地熱発電の方が問題は少ないが、資材を本土から運び、技術者も本土から派遣するなどの理由で、やはり相当な高コストになることは変わりない。このことは過去の八丈島での地熱発電事業の経験でもよく分かっているはずだ。
離島にとってのベストの電力の選択は、今の技術の実力を比べると、ディーゼル発電なのだ。そこに無理に風力発電や太陽光発電を持ち込んでも、環境が破壊され、コストが嵩むだけで、島民にとっても、国民にとっても、良いことは何もない。喜ぶのは、事業を請け負って利益を上げる事業者と、何かやったとアピールしたい政治家や行政官だけなのではないか。
都は、太陽、風力、地熱などの再生可能エネルギーについて、その環境影響とコストについて真剣に検討すべきだ。
そうすると本計画案における再生可能エネルギーの推進という方針は、取り下げるという結論になるのではないか。
上田令子都議もツイートにこの記事を添付して「パブコメを出して、美しい日本の島々を破壊の女帝から守りましょう!」とコメントを添えた。
【小池知事が今度は伊豆諸島を風力で景観破壊?!】
「宝物に満ち溢れた島しょ地域。
海外航空会社等の受入体制の整備や、国際会議の戦略的な誘致・開催」←知事所信表明
ぜひ、パブコメを出して、美しい日本🇯🇵の島々を破壊の女帝から守りましょう!https://t.co/ErhcQlGmaI— 上田令子(東京都議/自由を守る会代表) (@uedareiko) February 28, 2023
杉山氏の記事は、反響を呼んで言えて、ツイッター上では拡散され、東京都への批判の声が多くあがっている。多くの都民が声をあげてくれることを期待するが、葛西臨海水族園を巡っては、約9割の反対意見が出ていたというのに、計画を進める方針のようだ。東京都が実施するパブリックコメントは、単なるやってる感を出しているの過ぎないと私は感じている。実質はパブコメを募集しようが結果は最初から「答えありき」だと思っている。他の自治体はどうかは分からないが。
しかしながら、パブリックコメントに意見を寄せることは重要だ。東京都がいくら反対意見を無視しても、心ある都議たちが反対の声を拾ってくれて、今ではSNSやネット記事やブログなどで拡散してくれる。東京都が都民の声を無視したら、選挙で示せばいいのだ。
神宮外苑、葛西臨海水族園の樹木の伐採計画が問題視され、日比谷公園の樹木も伐採される計画があるという。そして、伊豆諸島の景観破壊だ。小池都政は環境問題に取り組んでいるように見えて実は環境破壊を行っている自覚がないようだ。最近、歌手の世良公則さんが「環境破壊と言われる中 殆どの都議はこれに反対しない」と、ツイッターで都議の姿勢を疑問視していたが本当にその通りだ。ほとんどの都議が小池都政に右へ倣えなら、都民が声をあげるしかない。
極めて個人的だが、伊豆諸島は私にとっても思い出深い土地だ。伊豆大島ではないが、かつては釣りなどで神津島を中心に足繁く通い癒された。かつてほどではないが、今も時折、癒されに行っている。ぜひ多くの都民が声を届けてくれることを願う。