野田元総理が安倍元総理銃撃現場を訪れ哀悼「こうした不幸が、起こってはならない。事件を風化させてはならない」「激論があっても、一致点を見いだす政治を目指したい」
立憲民主党の野田佳彦元総理が５日、安倍元総理が銃撃された現場に訪れ手を合わせて哀悼の意を表した。
野田氏は黙禱後、記者団に「こうした不幸が、起こってはならない。事件を風化させてはならない」と語り、心境を問われると「激論があっても、一致点を見いだす政治を目指したい」と決意を述べたと産経新聞が報じた。
立憲民主党の野田佳彦元首相は５日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で昨年７月に起きた安倍晋三元首相銃撃事件の現場を初めて訪れ、手を合わせて哀悼の意を表した。心境を問う記者団に「激論があっても、一致点を見いだす政治を目指したい」と決意を述べた。
統一地方選を前にした政治活動の一環で奈良県内に入った野田氏は、立民の関係者らとともに、安倍氏が凶弾に倒れた場所に立ち寄り約１０秒間、黙禱（もくとう）した。その後で「こうした不幸が、起こってはならない。事件を風化させてはならない」と強い口調で語った。
昨年１０月の衆院本会議で、野田氏は安倍氏の追悼演説を行った。平成２４年の首相在任時、当時野党で自民党総裁だった安倍氏と党首討論で対決の上、旧民主党政権の終わりにつながる衆院解散に踏み切った。
ネット上には「立憲にはもったいない人物です」「政治的立場は違えど、相手に敬意を持って接する野田さんの姿勢は本当に素晴らしいです」「奈良県は風化させようとしている」「ただの選挙向けパフォーマンスです」「野田氏が代表やったほうがいいんじゃない？」「野田さんのこういうところは好き。立憲を辞めて、玉木さんのとこ行けばいいのに」などといったコメントが投稿されている。
立憲民民主党内では泉代表のまま総選挙を迎えることになると「このままでは党が沈んでしまう」とかなり危機感を持っているようで、野田氏の再登板を期待する声が絶えないという（参考）。党外でも、泉代表のままだと次の総選挙で日本維新の会と野党第一党が入れ替わるのではないかとみている人も少なくない。
泉代表といえば、ダジャレで他党から反感を買ったり、岸田総理のウクライナ訪問を巡り「事前に国会に報告すべき」などと支離滅裂な発言をしてみたり、数日で意見を変えるというブレブレを指摘されたり、各政党党首で最下位の発信力のなさを指摘されたりと散々な状態だ。党内で焦りが出るのも仕方ないことだ。一方で、野田氏といえば安倍元総理の追悼演説でも名演説ぶりや、国会での質疑でも多くの共感を得ていて、評価は高まっている。その上に今回の安倍元総理への哀悼だ。
ネット上ではパフォーマンスという指摘もあるようだが、たとえパフォーマンスとしても、他者を陥れるパフォーマンスよりは数段ましだと考える。野田氏本人はパフォーマンスだと思っていないだろうが、立憲民主党に足りないのはこういうパフォーマンスだ。ただ自民党の信用を落とすことばかり躍起になっているが、それでは他者の足を引っ張るばかりの姿を露呈しているだけで、自身の信用を高めることはできない。立憲民主党をよく見せようとする努力が足りないのだ。そういった意味でも「野田氏再登板」が期待されているのかもしれない。ただ、野田氏が再登板すれば、立憲民主党が割れる可能性もありうるのでは？