内閣府世論調査、自衛隊の規模を「増強した方がよい」、自衛隊に「関心がある」がいずれも過去最高
内閣府が実施した世論調査で、自衛隊の規模を「増強した方がよい」という意見が41.5%となり、過去最高となった。自衛隊に「非常に関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人は計78.2%で、これも過去最高。国民の自衛隊への関心の高さが示された。
内閣府が7日付で発表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」で、自衛隊に「非常に関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人は計78・2%に達した。調査方法が異なるため単純比較はできないが、平成30年1月の前回調査から10・4ポイント上がり、過去最高となった。自衛隊の規模を「増強した方がよい」も過去最高の41・5%(前回比12・4ポイント増)を占めた。
防衛省の担当者は、ロシアのウクライナ侵略や中国、北朝鮮の軍事動向を巡り「自衛隊の取り組みが関心を持たれる機会が多かったため」と分析している。
調査は昨年11月17日~12月25日に18歳以上の日本国籍を持つ男女計3千人を対象に実施し、回収率は53・4%だった。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から前回までの個別面接聴取法を改め、質問状の郵送によって調査を行った。
自衛隊に期待する役割を尋ねた設問(複数回答可)では、「災害派遣」と答えた人が88・3%(同9・1ポイント増)で最も多かった。一方、「国の安全の確保」は78・3%(同17・4ポイント増)、「弾道ミサイル攻撃への対応」は55・7%(同15・5ポイント増)で、上昇幅の大きさが際立った。
日米安全保障条約が日本の平和と安全に「役立っている」「どちらかといえば役立っている」は計89・7%(同12・2ポイント増)を占めた。自衛隊に対して「良い印象を持っている」「どちらかといえばよい印象を持っている」は計90・8%(同1・0ポイント増)だった。
しかし、「今の程度でよい」と答えた人は依然、半数を超えているが、こちらはポイントを落としている。いずれは逆転することも十分考えられる。国民の自衛隊に対する意識が高まってきていると考えるべきだろう。
(https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-bouei/gairyaku.pdf より)
自民党のひげの隊長こと佐藤正久参議院議員は「普段は厳しい結果が多いのに。危機感の現れ」とツイート。
【普段は厳しい結果が多いのに。危機感の現れ→自衛隊「増強した方がよい」過去最高41.5% 内閣府の世論調査 前回から12.4ポイント増(テレビ朝日系】 https://t.co/m3aiDcaVP6
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) March 7, 2023
国民の自衛隊に対する意識が高まってきている理由には、佐藤氏が指摘するように、安全保障に対する危機感の表れだろう。
別の資料では、自衛隊に期待する役割についての調査結果があり、「災害の時の救援活動や緊急の患者輸送などの災害派遣」「周辺海空域における安全確保、島々に対する攻撃への対応など国の安全の確保」「住民の避難など、日本が武力攻撃を受けた時の国民の保護」「弾道ミサイル攻撃への対応」に高い期待が寄せられていた。
(https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-bouei/gairyaku.pdf より)
増強=戦力の拡大となりがちだが、防衛費増額の中には自衛隊員の待遇改善も含まれている。自衛隊員にはベストの状態で任務に当たって欲しい。そのためには待遇面の改善を即時行ってほしい。同時に多くの国民が理解をしてくれることを願う。