ガーシー氏除名へ 参院懲罰委員会で全会一致で可決。15日の参院本会議で正式に決まれば72年ぶりの除名処分
当選以来、国会に一度も登院していなかった政治家女子48党のガーシー参院議員に対し、14日の参院懲罰委員会では、「除名」とする懲罰案を採決し、全会一致で可決した。15日の参院本会議で3分の2以上が賛成すれば除名が正式に決まる。正式に決まれば、72年ぶり3例目。
ガーシー氏は「陳謝」の処分が決まっていたが、応じなかったため、今回の処分となった。
参院懲罰委員会(鈴木宗男委員長)は14日、昨年7月の参院選で当選後、国会に一度も登院していない政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員に対し、最も重い懲罰の「除名」を科すことを全会一致で決めた。15日の参院本会議で3分の2以上が賛成すれば除名が正式に決まり、ガーシー氏は約7カ月半で議員資格を失う。国会議員の除名は昭和26年以来72年ぶりで、現行憲法下で衆参合わせて3例目となる。
懲罰委には政女党の浜田聡政調会長が出席し、ガーシー氏に代わり「自らの進退や生命に重大な危険が及ぶ可能性は安易に否定できず、帰国に応じる判断は極めて困難だ」とする弁明書を読み上げた。
その後の討論では各党が「除名」を主張。自民の牧野京夫氏は、ガーシー氏について「参院議員としての職責を果たす意思がないものと判断せざるを得ない」と述べた。
参院は2月22日の本会議で、今国会で尾辻秀久議長の出席の求めに応じなかったガーシー氏に対し、「陳謝」の懲罰を科すことを決めた。しかし、ガーシー氏は、陳謝文を読み上げる8日の本会議を欠席。尾辻氏は懲罰委に対し、改めて処分の審査を付託していた。
ネット上では「選挙で当選した議員を他党の議員が除名するのはおかしいだろう」という意見もあるが、多くは「当然だ」「当たり前の判断」「時間がかかりすぎ」といった内容のコメントだった。中には「立候補させた党の責任」「投票した人たちの責任」という意見も見受けられた。
確かに、政治をよく知らない有権者が名前を知っている立候補者へ多数流れればこういった現象が起こってしまう。かつてタレント候補と呼ばれていたのがそれだ。しかし、中にはしっかりとした人もいるので、タレント候補が悪いとは一概には言えない。だからこそ、有権者に投票を呼び掛けるとともに、政治をもっと知ってもらう努力をしなくては、第2第3のガーシー氏の誕生も十分あり得る。