TPP、英国の加盟に大筋合意する見通し 中国加盟に難関か?
環太平洋連携協定(TPP)に加盟申請している英国だが、参加国11か国がオンライン会合を開き、英国の加盟に大筋合意する見通しであることが報じられた。
環太平洋連携協定(TPP)に参加する日本など11カ国が31日にもオンライン形式で閣僚会合を開き、英国の加盟に大筋合意する見通しであることが分かった。複数の日本政府関係者が29日、明らかにした。発足時のメンバー以外では初となる。年内に、各国の閣僚がルールや新規加盟を議論する最高意思決定機関「TPP委員会」で正式に承認する見込みだ。
TPPは、関税撤廃や知的財産などの統一的ルールにより自由貿易を推進する枠組み。今後は、英国と同様に加盟申請している中国や台湾の扱いが焦点となる。
中国がアジア太平洋地域で影響力を拡大し、ルールの順守にも懸念があることから、日本は中国の加盟に慎重な立場を取っている。中国は台湾の加盟に反対している。一方、日本は英参加を足掛かりに、トランプ政権時代に離脱した米国の復帰に向けて機運を高めたい考えだ。
英国は2021年2月にTPPへの加盟を正式に申請し、中国と台湾のほかウルグアイなどが続いた。英国の審査はこうした国々に対しての試金石となるため、加盟国が慎重に協議していた。
英国が加盟すれば中国の加盟がより困難になると予想される。さらに、アメリカが離脱した中、英国というG7の国が加盟する意味も大きい。まごうことなき先進国が加わることでTPPの格が上がる。
今後、中国と台湾の加盟について議論されると思うが、台湾は加盟させてほしいが、中国はどう考えても高い水準のルールを守るとは考え難い。日本だけが先頭に立って中国の加盟に難色を示すのと、そこに英国が加わるのでは状況が全く異なる。また、韓国についてだが、まったくの蚊帳の外のようだ。現在、日韓関係の修復の流れになっていて、もしかしたら日本は韓国加盟に賛成するのではないかとやきもきしている。韓国についても高い水準のルールを順守するかどうかは疑わしい。それはそれ、これはこれの対応を願う。