イタリアのメローニ首相が米下院議長との会談で中国の「一帯一路」から離脱の意向を示唆
G7で唯一、中国による一帯一路構想の参加国のイタリアが、一帯一路から離脱を検討しているという。
イタリアのメローニ首相がマッカーシー米下院議長と会談した際に示唆したそうだ。
イタリアは米国に対し、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から年内に離脱する意向を示唆した。
イタリアのメローニ首相が先週、マッカーシー米下院議長とローマで会談した際、まだ最終決定はしていないとしつつ、一帯一路から離脱することを政府として支持していると述べたという。この会談に出席した複数の関係者が明らかにした。
イタリアはコンテ政権時代の2019年に主要7カ国(G7)構成国として唯一、一帯一路に参画。あえて離脱手続きをとらない限り、参加協定は2024年に自動更新される。
イタリアは欧州の大半の国と同様に、米中の緊張悪化の板挟みに遭っている。中国がロシア支持を続けていることも問題を難しくしており、貿易や投資で中国との関係を続けたい欧州諸国はバランスの維持に腐心している。
ネット上にはこんな指摘が。
一帯一路構想に参加した開発途上国が「債務のワナ」に陥り、中国に巨額の債務を負わされるといったケースも相次いでいる。
また、中国は知的財産権の保護が不十分で、一帯一路に参加していない欧州各国は知財保護の観点から貿易面で中国とのデカップリングを望むようになっている。
イタリアが一帯一路協定を更新しても対中輸出の拡大は期待薄であり、協定を更新しないのは賢明な判断と言えるのではないか。
他にも「やっとイタリアは気付いたか」「当然でしょう」といった声もあがっていた。
イタリアは2019年、当時のコンテ政権が低迷するイタリア経済回復の起爆剤にと中国からの投資を期待して「一帯一路」の覚書を結んだが、期待したほどの効果がなかったのだろう。またメローニ首相は親中国姿勢からの脱却を掲げていて、メローニ首相が党首の「イタリアの同胞」のクロセット元党首は「わが党は英国の保守党、安倍晋三首相時代の自民党に近い立場だ」と述べていた。
外交では、北大西洋条約機構(NATO)を軸とした西側の結束を主張し、親中国姿勢からの脱却を掲げている。
中国の威嚇非難
メローニ氏は総選挙の直前、台湾の中央通信社のインタビューで、右派政権が実現すれば「台湾に強い関心を向けることになる」と述べ、台湾支持を明言した。中国による台湾への軍事威嚇を非難し、欧州連合(EU)が対中圧力を強化すべきだと訴えた。イタリアは2019年、当時のコンテ政権が先進7カ国(G7)で唯一、中国と巨大経済圏構想「一帯一路」の覚書を結んだが、メローニ氏は、覚書の更新について「明日署名が必要だとすれば、そんな政治的状況ではない」と否定的な立場を示した。同党のクロセット元党首は本紙に、「わが党は英国の保守党、安倍晋三首相時代の自民党に近い立場だ」と述べている。
「イタリアがやっと気付いた」というよりも、まともな政党の政権になったと言う方がいいのかもしれない。お隣韓国も政権が交代して反日政権から(今のところ)親日政権となった。まさに政権が変われば国が変わるという例だ。
余談だが、「わが党は英国の保守党、安倍晋三首相時代の自民党に近い立場だ」と安倍政権時代の自民党を挙げているあたり、「イタリアの同胞」は安倍元総理をかなりリスペクトしているのだと感じた。